就職した会社に対して満足している、仕事が面白いと感じている人の中には、大手企業や人気企業に就職したわけではない人が意外に多く含まれています。
彼ら、彼女らが選んだのは一体どんな会社だったのか?
今回は、優良な企業を選ぶポイントについてご紹介します。
例えば電機メーカーに入りたいと思ったら、まずは有名メーカーに目が行くものです。
しかし業界研究や企業研究を始めると同じ電機メーカーにも専業型や事業分散型といった違いがあることがわかり、事業戦略や社風、仕事内容も決して均質でないことを知ることになります。
さらに調べていけば、業界内には一般の知名度は高くなくても卓越した技術力を持つメーカーや、面白いアイデアを持って台頭してきたベンチャー企業が多数存在することもわかってきます。
あるいはハードウェアだけではなくソフトウェアに視線が向いたり、海外で活躍するメーカーに興味が湧くこともあるかもしれません。
極端な話、例え最終的に大手電機メーカーに的を絞ったとしても、最初のうちに視野を広げてさまざまな企業に目を向けておくことには必ず意義があります。
自分なりに企業同士のつながりや関係性、業界地図を描くことができて、見識が深まるからです。
一方で、他の学生がそれほど注目していなくても、自分自身が「これは」と思う企業を発見することができたら、それだけで就活におけるストロングポイントを見つけたことになります。
それはその会社が優良中小企業であるかもしれないからです。
就職先として中小の企業を選ぶメリットは意外に多くあります。
大企業と比べれば自由な社風の会社が多いので、事業方針や哲学が合えば自分の能力を十分に発揮することが可能です。
小回りがきくため良いアイデアがあればすぐに新しいチャレンジをすることもできます。
また、結果が出れば給与やボーナスにも反映されやすいとも言えます。そして自分自身で見つけた企業であれば就活におけるライバルも大企業ほど多くなく、ピンポイントで就職のための準備や対策を行えるでしょう。
もちろん、これらは「優良な」中小企業の場合です。
とくにニッチ(隙間)な市場や分野を作り出して、とがったサービスや商品を提供している会社は狙い目です。
既存の大手企業が目をつけていなかったことを行うことによって特定の顧客層を開拓し、パイを取り合うのではなく、独自の路線を走って高い利益率を得ている企業であれば申し分ありません。
競合他社が少ない分野であれば中小の企業でもシェア率が非常に高い場合があり、優良企業であることは少なくないのです。
改めて、そもそも優良中小企業とは何でしょう?ここではその条件として、市場におけるシェア率が高いこと、商品やサービス、技術力が確かであること、成長への意欲が高いことの3点を挙げておきます。
こうした企業は必ずしも新しい会社ばかりとは限りません。
ある程度伝統があり、これまで地道な努力によって着実に特定分野での地位を築いてきた会社もあります。
日本ではあまり知られていなくても、海外で強い製品を作り出している、いわゆるグローバルニッチトップ(GNT)型と呼ばれる会社も存在します。
もちろんベンチャー企業の中にも優良中小企業はあります。
シェア率や収益性の高さはその企業に関するデータを調べればわかります。
そして商品の確かさは、目で見て確かめてみることが大切です。ショールームなどがあるのなら足を運んでみましょう。
「自分もこんな商品を作りたい」、「この商品を売りたい」と思えるかどうか、心に問いかけてみることです。
成長への意欲の高さに関しては、カタログ的な情報から判断するより、OB訪問をするなり、説明会に行くなりして、実際にそこで働く人に会って話を聞くほうが効率的です。
要は社風を肌で感じるということでもあります。
新しい人材に何を期待しているのか、それをどう生かして成長戦略に繋げようとしているのかに留意しながら、社員のリアルな声を聞いてみましょう。必ず得るものがあるはずです。
成長への意欲があればまだこの先にも新しいビジネスチャンスがあり、能力を生かせるフィールドがあるということです。
それこそが優良中小企業のエネルギー源です。
就職は人との出会いと同じく、最終的には企業との「縁」で決まるものです。
「あなたにとっての優良企業」を、ぜひ発見してください。